レジデンス事業

 プロのアーティストが中長期的に滞在し、その滞在中に創り上げたものが舞台公演となって真っ先に地元の観客に提供されたり、地元のアマチュア向けのワークショップなどで気軽にプロと市民が交流し合える環境が日常的にあるということは素晴らしいことである。
 プロの創造活動の一端を垣間見る機会というのは一般的にはほとんどない。創作過程は観客に見せるものではないからである。ただ、それでもここで「生活」をしていれば触れ合える機会は生まれる。一年に一回だけの滞在であっても、継続的に繰り返されていく中からアーティストと市民との間に不思議な一体感が生まれてくるものである。「今年もやってきたな」というアーティストと、「今年も来てるね」と迎える市民。この両者の関係がバランスよく保たれていれば、いずれは交流の機会が生まれる。人づくりの観点から見ても、継続的にこれを受け入れていくことができるのは行政の強みだろう。

鬼太鼓座  日本を代表する和太鼓の演奏集団である鬼太鼓座が、全国・全世界ツアーの立ち上げを目的とした合宿を始めた。今年度は合宿だけとし、コンサートは開催しなかった。
 サンライズホールでは和太鼓のコンサートを残波大獅子(1997)、鬼太鼓座(1998)、鼓童(2001)、縄文太鼓(2002)と開催してきた。これに加えて、2002年度の成人式に箏&尺八のコンサートで鬼太鼓座代表の松田惺山氏を招聘したことから、合宿の件が持ち上がって実現した。プロの演奏団体による合宿、滞在は地域に有形無形の影響を残すことができる。これを連続して定例化することから生まれる信頼関係が、将来にわたっての財産となる可能性がある。

2003年度
●和太鼓交流
 合宿中に地元のアマチュア演奏団体との交流の場を設けた。演奏の指導という観点ではなく、プロとアマチュアの交流であるが、実際にはアマチュアからの質問に対してプロが答えるという場面もあり、充実した時間となった。
 開催日:8月28日  19:00〜21:00
 対象者:朝日町及び近隣のアマチュア演奏者
 参加者:30名(岩尾内太鼓・つくも太鼓・宝来太鼓)

2004年度(省略)

2005年度
●ワークショップ
 開催日:9月7日 19:00〜
 提唱者:地元のアマチュア演奏者
 参加者:岩尾内太鼓 10名

2006年度以降
●ワークショップ
 滞在中のスケジュールに合わせて小学校や高校生を対象としたワークショップを開催しています。鬼太鼓座の所有する太鼓や楽器を使っての体験型や座員の日常的な稽古と同じ内容の一部を体験するなど、参加者に合わせたプログラムが実施されています。

KUSHIDA WOKING 2003年度
 役者、演出家、として活躍している串田和美氏を中心としたプロの役者等を対象とした滞在型ワークショップ「KUSHIDA WORKING in HOKKAIDO」が2002年度から札幌市及び富良野市で3年を目処して開催されており、この2年目から朝日町も参加することになった。講師、キャスト、スタッフあわせて48名が参加した。ワークショップの参加者27名はオーディションにより決定したものであり、東京、札幌、富良野、茨城、千葉、神奈川にわたり、各地でプロの演劇人として活動している若手役者が中心となっている。
 3年間のワークショップから創造される舞台を目指しており、そのためのトレーニングや、9月には「コーカサスの白墨の輪」のプレビュー公演も予定されている。

●「コーカサスの白墨の輪」のプレビュー公演
 公演日:9月8日
 観客数:221名
 補助:財団法人北海道文化財団


●演劇演出に関するワークショップ
 開催日:8月12日  19:00〜21:00
 講師:斉藤 歩
 対象:中学教師
 参加者:中学教師及びKUSHIDA WORKINGの参加者 22名

 概要:中学生の芝居を演出する立場の教師に対しての実践的なワークショップ。マンツーマンでは参加者の精神的な負担が大きいため、滞在中の役者にも参加してもらい、集団の中のひとりとしてワークショップを行った。コミュニケーションワークショップから、ブレヒトの手法によるタブロー作りなどへ、次から次へとプロの役者の中で体験が重ねられていく。最初は一人だけのアマチュアということで腰が引けていたが、コミュニケーションの度合いが深まるにつれて全体の中へ溶け込んでいった。短時間に集中してのワークショップだったが、芝居の制作過程において、表現して伝えるために何をすべきかという刺激的な機会となった。

2004年度


合宿滞在
 ホールの近くに安価な宿泊先(朝日山村研修センター)があることで、文科系の団体による合宿の利用が続いている。そのほとんどが夏季休暇及び冬期休暇中に集中し、3日間前後の利用である。利用者は高校、大学の吹奏楽、演劇部などが中心となる。
 現在は来館する学校も増え、夏期休暇以外の時期にも1泊程度で合宿を実施することも多くなっており、スポーツ合宿と併せて生涯学習施設の活用がされている。
 今後は市の掲げる「文化・芸術の里づくり」構想のもと、更に多くの利用を目指していく必要がある。

●吹奏楽

 開館当時から吹奏楽団の合宿利用があった。主に学生による夏季休暇中の合宿利用である。ほぼ毎年利用しているのは旭川凌雲高校吹奏楽局、旭川西高吹奏楽部、札幌東稜高校吹奏楽部、札幌大学吹奏楽部などである。この中でも旭川凌雲高校吹奏楽局、旭川西高吹奏楽部は年間に複数回の利用がある。近年はさらに利用する学校が増えているが、希望する時期がスポーツ合宿と重なっており、宿泊の確保ができずに断念することも多い。

 合宿中に地元住民対象のコンサートを開催しているのが旭川凌雲高校であり、夏の恒例行事として地域に定着しており、ほぼ満員の観客を動員する実績がある。



●演劇合宿
 近隣の高校の演劇部による合宿利用があったが、最近は演劇部そのものの存続が危ぶまれる学校も多く、継続的な利用に至っていない。

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